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?流通経路の合理化の動き
[消費者ニーズの多様化と新たな流通機関の成長]
わが国では物の豊かさから心の豊かさを重視するといった、ゆとり豊かさ志向が高まりつつあり、国民はレジャー・余暇生活に力点を置くようになるなど、多様なライフスタイルを求める傾向にある。国民が心の満足をより求めるようになるなか、消費者ニーズも高度化・多様化しており、より良い商品やサービスが求められる傾向にある。このような消費者ニーズの多様化を反映し、多様なニーズに対応しやすい大規模小売店等の大量流通機関が成長している。
また、日経センターの報告によると、1990年から2000年にかけてのわが国の実質経済成長率は2.6%、2000年から2010年にかけては1.9%と低い経済成長が見込まれており、経済の成熟期を向かえつつあることが指摘されている。
このように、経済全体の規模の大きな拡大が見込まれないなか、生産側にとっても消費者ニーズを直接に吸い上げることが重要になりつつあり、製販一体化の動きが見られ、流通コストの削減、消費者ニーズへのスピーディーな対応等を目的に、中間卸売機能を排除するといった流通経路の合理化が進んでいる。

 

国内総支出(実績)の年平均増加率の推移

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[価格破壊の進展]
円高の進展や消費者ニーズの多様化を背景に低価格競争が激化しており、小売価格決定権が生産者から消費者へシフトするといった動きが見られる。その様な中、物流のコスト意識の高まりから、流通経路の非合理性を改善する動きも見られる。

 

 

 

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